出だしのつまづき
出だしの3ホールはその日のスコアを左右する、最も重要なホールとなります。
出だしの3ホールでパープレー(ハンデを計算の上)で回ると、後のホールも気が引き締まり、緊張感のあるプレーを持続できます。
いいスタートが切れた場合はいいですが、問題はつまづいたときです。そこで気持ち(メンタル)の切り替えが必要になります。
うまくいかないときほど、試されます。試されているときに「ここが試練の時」と思うか、またはあきらめてしまうかです。
あきらめれてしまえばすべてが終わりです。
最近では「ゾーン」という言葉を耳にしますが、私は18年前にスポーツ心理学研究の講習を受けたとき、すでにこのことが議題にあがっていました。
一般的には「ゾーン」といいますが、心理学研究ではアイデアルパフォーマンスステート(IPS)と言っていました。いわゆる、何をやってもうまくいっているときです。
そのIPSに最も近い心理状態は「緊張しているとき」次は「怒っているとき」もっともそれにかけ離れた心理状態は「あきらめているとき」とありました。
それから私はずっとこのことを忘れず、日々過ごしてきましたが、まさにその通りだということが自分自身、肌で感じ取れるようになりました。
「緊張しているからだめ(あかん)」ではなく、「緊張しているからいい」と選手にも言えるようになりました。
緊張はもっとも良い心理状態(IPS)に近い状態で、そのとき、コーチや周りの人は「緊張せず・・・」とか、緊張をとろうとして笑わせたりしていけません。返って、逆効果になります。
心理学は、スポーツと同じで答えのないものです。万人にこれが正解といえるものはありません。ただ、共感でき、賛成できるものはどんどん取り入れる。このことを常に実行できれば、精神に落ち着きが出て、いいパフォーマンスが発揮できることと思います。
スコア報告です。
角中良子さんがアリジGCのレディース競技会で88(41・47)で回り、久々の80台が出たとのことです。
角中さんは、メンタルトレーニングに先日、選手と共に受けていただきました。
「メンタルトレーニング」といえば、絵を見て、目をつむって脳にイメージさせたり、瞑想をしたりと様々なトレーニングもありますが、私がやっているのは、ほとんど思考のトレーニングです。
また、日刊女子アマ全国決勝大会(北海道・ザ・ノースCC)に出場した結城里麻(15)が初日79、二日目82、後中美璃(13)は初日87、二日目88でした。
二人ともショックを受けて帰ってきました。私に言わせれば、厳しいようですが、これも今の実力です。
初日、雨で寒かったようで、体の動きも悪かったことと思います。練習ボールも朝25球の制限、バスでの移動で、普段のように朝、練習場探して・・・というようにはいきません。二人とも初めての北海道、芝(北海道は寒冷地なのでペンクロスベント)も違います。美璃は初めての全国大会・・・無理もありません。
予選を通過して北海道へ全国大会・・周囲も期待するし、当の本人もさまざまな思いが交差したと思います。
問題はこの経験を忘れるか、忘れないかです。私はこの経験を大切にして次に備えてほしいと思っています。
今週末の9日~11日はSAHARAランキング上位者のみが出場できるJJGAオールスター(サンコー72CC・群馬県)に鍋谷太一(14)と結城里麻(15)が出場します。優勝すれば海外派遣、ツアー出場の権利もあります。ぜひ目標を大きく、がんばってほしいと思います。