必死のパッチ
最終日、鍋谷太一(20)は69(36.33)でラウンド、通算17アンダー、最終優先順位13番目で来季前半戦、ほぼ出場できる権利を獲得しました。
お伝えした通り、朝からの風は平均10メートルを越え、最大風速は15メートルを越えていたと思います。
突風で時折、ピンの竿は90度に曲がるくらいです。
そんな中、アウト2番、3番連続バーディとスコアを伸ばしましたが、前半最終の9番ミドル、グリーン手前の池に入れてしまい、痛恨のダボ。
今日の予想では、2打以上落とすとツアー出場権利は取れません。
後半は試されるラウンドとなりました。
ところが11、12番連続バーディ、14番バーディ、15、16連続ボギーとした後、奮い立たせ、17番バーディ、18番ロングをピン奥、8メートルに2オンさせ、イーグルパットを10センチに寄せ、上がり2ホール連続バーディ。
後半はなんとこの風の中、5バーディ。
結局7バーディ、2ボギー、1ダボ。
順位を6つ上げ、13位タイ。最終日スコアが優先されるため、13番目。
これで来季前半戦、海外(シンガポール、ミャンマー)、中日クラウンズ、日本プロ(予選から)以外のトーナメントは全て出れます(リランキングにより、中盤戦、後半戦も出場可能)
パーゴルフとアルバ取材。
JJGAの取材。
とにかく、ここまでくる選手は精神が全く違います。
こんな風でもこんなプレッシャーがかかる局面でもすごいスコアを出せます。
トップは太一と同い年、星野陸也が31アンダーです。彼は今年の夏、日大を中退、プロ転向しました。
太一の同組の韓国選手は上がりの3ホール、ホールインワン、パー、イーグル。
Jチョイはロングでロストボールしながらも悔しさをにじませ、5打目、目玉のバンカーから直接入れるパー。
雄叫びが響いていたそうです。
太一もすごいパットを決め、負けじと「ウォリャー」
私はスタートと上がりしか見れませんが、選手のプレーからすごい気迫が伝わってきます。
今日上がってきてスコアを聞いた時は涙が出るほどでした。
よく耐えた、よくがんばった。本人「必死のパッチやった」と言っていました。
2人で過ごしたこの1週間は笑いも笑顔もほとんどありませんでした。正直ずっと苦しかったです。
楽になったのは帰って家の玄関を開けた時です。
帰りの車でもまだ明日もあるようなそんな気持ちでした。
体調も万全でなく、まだ若いのでわかりにくいと思いますが、いかに身体が大事かも思い知らされたと思います。
このクオリファイにはセカンドからでも1000人以上の選手が出ています。そこから勝ち上がってファイナルに残れる選手は170名ほど、他の権利で30名ほどで計200名弱。
さらに4日間が予選で通過するのは90位タイまで。
残った選手がツアーメンバーとして登録され、チャレンジツアー出場権利を得て、さらに二日間の決勝に進みます。最後は上位35名がレギュラーツアー優先出場権利を得ます(35位はタイの場合プレーオフ)
今回、日本選手21名、海外選手14名でした。
厳しい世界、うまいだけでは通用しません。
明日から少し休養が必要です。
長いようで短いシーズンがこれで終了です。
ここまで支えていただいてる方々に感謝申し上げます。
また来シーズンに向けて、計画を練って挑みたいと思います。
たくさんの応援ありがとうございます。